sothis's derivative work

このブログは《World Neverland~エルネア王国の日々~》のゲームプレイを元にした妄想込みの二次創作物語(SS)を掲載しております。(投稿∶不定期)

milly◇年下の彼

「ねぇクローライト、年下の恋人って…どう?」

突然そう聞いてきた同級生のプルネラは、子供の頃からの長い付き合い。アタシにもプルネラにも夢があり、その夢を叶えるために成人直後から奔走し、あっという間に丸二年が過ぎ去った。

成人して三年目、そろそろ結婚が気になる歳になった。周りの同級生は結婚を見据えた相手を見つけている。まだ恋人のいないアタシとプルネラは出遅れた感が否めなかった…。そんな中、ようやくアタシにも恋人?と呼べる人が出来た。

「どう?って言われても…まだ付き合い始めたばかりだし…。うーん、年下だけど…慣れてるって言うか、アタシの方がドキドキさせられっぱなし?かな…」

「あー、はいはい。幸せそうでなによりだね」

 

アタシの恋人ドナテルロは2歳年下。ついこの前までナトルに通う子供だった。弟の友達で、よく家にも遊びに来てたし、一緒になって遊んでたんだ。だからドナが成人式直後に『幸運の塔』に誘いに来た時は…そりゃあ驚いた。だって…そんな対象じゃなかったもん。弟みたいで、弟みたいな、まぁ…弟としか…ねぇ。

 

「何度も断ったよね?どうしてOKしたの?どういう心境の変化?」

「そこは…いくら親友でも教えられない。アタシとドナだけの秘密よ!……って、やけに喰い付くわね?どうかしたの?」

「べ、べつに…何もないわよ。ちょっと聞いてみただけ!」

「怪しい……。もしかして年下に告られたとか?」

「そ、そ、そんなんじゃない!」

「白状しなさい!何があったの?」

「あー、本当に何もないからっ!忘れて!」

 

この数日後、衝撃のシーンを目撃するのよね…

 

 

 

 

「クローライト、デート行こう」

今日はどこに連れて行ってくれるのかな?実際どこでもいいの。ドナと恋人として一緒の時間を過ごせることが嬉しい。

「ねぇ、明日もデートしようよ」

「もちろん♪」

他愛もない話をして、明日の約束をする。それだけで充分幸せなの。ドナもアタシと同じ気持ちだって思ってた…。

「クローライト、オレといるの…楽しくない?」

「え?すごく楽しいよ!」

「でも…全然クローライトから誘ってくれないし、いつもオレが決めたこと断らないしさ…なんか、恋人って言うより姉弟みたいな…弟扱いされてる気がするんだ。オレのこと……まだ子供だと思ってる?」

「まぁ…初めは弟みたいな感覚だったけど、今は違うよ!子供だなんて思ってない!」

「じゃあ、キスしてもいいよね?」

ドナの顔が近づいてくる…思わず顔を背けてしまった。

「ご、ごめんドナ!違うの!その…イヤとかじゃなくて…えっと……」

「もう…いい。明日、街門広場で待ってるから…」

 

あぁぁぁ、最悪!ドナを傷つけちゃった。明日、ちゃんと話さなきゃ。

明日?ダメ…きっと今じゃなきゃダメ!不意にそう思って追いかけた。ドナ待って!

 

 

「ドナっ!……少し話せる?」

「……何?」

うわぁ、完全に怒ってる…

「……………ドナテルロが大好き!好き…なんだよ!年上だし、恥ずかしくて今まで言えなかったんだけど…、アタシね、男の人とどう接したらいいか分かんないの!手を繋いだり、キ…キス?とか?恥ずかし過ぎて死んじゃいそうなの!だから!ドナを子供扱いしてる訳じゃなくて、アタシの方がよっぽど子供なの!!あーもう…何言ってんだろ…とにかく、さっきはゴメン!」

恥ずかしくて恥ずかしくて、ドナの顔すらまともに見れなかった…

「ふっ…あはははは!クローライト、めっちゃかわいい!マジでキスしたい!」

「なっ、何よ!!年上をからかわないでっ!」

「あのさ、年上とか年下とか、恋人なんだからそんなのどうでもよくない?そうだ!今度歳のこと言ったらキス一回ね♪」

 

はぁぁぁ……ドナに振り回されっぱなしだよ。年下のくせに駆け引き上手くない?

「今、『年下のくせに』って聞こえたけど?」

「き…聞こえ…た?」

ドナがしたり顔で上からアタシを見下ろす。慌てて口を覆おうとした手をドナに掴まれる…。いつの間にかアタシより大きくなって力だって敵わなくなった。可愛かったドナが、すっかりカッコいい男性になって…ドナに見つめられるだけでアタシの心臓は壊れそうなの。

ほんの一瞬…唇が触れた。触れた…よね?

「クローライトのかわいい顔が見れたから、今日はこれで勘弁してあげる。じゃ、また明日ね」

以外…。ドナの顔、真っ赤だった…。ドナだって一生懸命アタシと恋愛してくれてる…そう思っていいのかな?

 

 

なんだか嬉しくなってウキウキしながら幸運の塔を通って…

……………っっっ!!

プルネラとゼオライトだよね?えっ…今、目の前でハート飛ばしてるのはアタシの親友とアタシの弟で間違いないよね?

幸運の塔を出たところで親友を取っ捕まえる。

「プルネラ!い、今の…何?」

「あ……そういうことになりました。よろしくクローライトお姉ちゃん!」

「はぁぁ?えっと…ごめん……少し整理させて」

 

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アタシとプルネラは親友で同級生。

アタシとゼオライト姉弟

アタシとドナテルロは恋人。

ゼオライトとドナテルロは同級生でたぶん親友。

で…

プルネラとゼオライトが恋人?

 

何がどうなってこうなった?

「…………さてプルネラ、酒場に行くわよ!今日は帰さないよ。あんた達がこうなった理由、全部話してもらうからね!」