sothis's derivative work

このブログは《World Neverland~エルネア王国の日々~》のゲームプレイを元にした妄想込みの二次創作物語(SS)を掲載しております。(投稿∶不定期)

13th◇プロポーズ前夜

〜ロビー殿下視点〜 「今日はわたしが送るよ♪」 デートを終えて僕が『送るよ』と言うと、そう返してきた。 居室に着き、お茶を用意する。 「お待たせ…」 クルキスちゃんはソファーに身体を預け、微睡んでいた。 (最近、忙しそうだったもんな…) お茶をダイニ…

13th◇告白まで

〜ロビー殿下視点〜 「あ、あのさ……」 「ん?」 「二人で…どっか行かない?」 「……………………」 何で返事しないの?やっぱり僕じゃダメ? 断られるのが怖くて下を向いていた顔を恐る恐る上げ、彼女の顔を見る。小麦色の頬はほんのり赤く染まって…目が泳いでる? …

番外◇奏女の移ろい

先生… そう、ルクバさんは私の先生。私が生徒だった頃、魔銃導師として教壇に立ってた。 「ねぇ先生、今日はちゃんとご飯食べた?」 「ん?あ、あぁ……いや…寝坊しちゃってさ…」 「また?先生、大人なんだからちゃんと食べなきゃダメよ!ほら、これあげるから…

08th◇継承

「シャウラ…あのさ、二人でどっか…行かない?」 「え…わたしと?あ…そのぉ……えっと………」 返答に困っていると手首を掴まれ強引に引っ張られた。 昨日までナトルの制服を着てたわたし達…昨日までわたしと同じくらいの背丈だった彼…昨日まで普通に手を繋いで走…

12th◇旅の終わり

エルネア王国…ここが?世界中から強者が集まると聞いて来たんだけど、何?こののんびりした感じ。 「あの!すみません、ここはエルネア王国で間違いないですか?」 「やぁ、旅の方。ようこそエルネア王国へ!いい国でしょう?ゆっくりしていって下さい」 間…

milly◇約束

▷ウィアラの酒場 「アイク、ちょっと付き合え」 親友のジュストさんとウィアラの酒場を訪れた。いつもの気さくな雰囲気はなく、まるでこれから試合が始まるかのように鋭い目をしている。何かあったんだろうか…ただ食事に誘ったって訳じゃなさそうだ。 「ジュ…

12th◇龍騎士

317年。今年は4年に一度のエルネア杯が開催される白夜の年。武術職に就く者であれば、この大会への出場、そして優勝する事がひとつの目標だ。 そのエルネア杯もいよいよ決勝戦、今回の決勝は珍しく夫婦対決と相成った。妻の『エレナ・エスパーダ』はローゼ…

12th◇主導権

エレナさまと出会ってから、私の価値観は一変した。それまで龍騎士の称号を得た自分より強い人がいるなんて考えもしなかったし、自分が最強だと思っていた。その私が彼女にあっさり叩きのめされたんだ…。 エレナさまは旅人で、見た目はミステリアスな美女。…

12th◇憧れと恋

「そんなに兄貴の事が好き?」 「だって…子供の頃からずっと憧れてるの!ずっとルクバのお嫁さんになるって言ってきたし、ルクバと結婚する事はアタシの中で決定事項なの!」 「ハァ…そう。でもさ、兄貴は結婚する気ないよ。メロディと結婚しないって事じゃ…

12th◇兵団長と騎兵

山岳リーグ戦最終日。わたしは全勝し来期も兵団長を任せられる事になった。兵団顧問の父に優勝の報告をしようと声をかける。 「父さん!優勝したよ♪」 「リズおめでとう!それはそうと大事な話がある。少しいいか?」 何?なんか嫌な予感がする… 「……俺はも…

11th◇ガノスへ

今日はやけに身体が重い…今夜あたりナーガ様の遣いが来るな………。 「お父さんっ!お、おはようございます…」 「おはようルクバ君。どうした?朝から訪ねて来るなんて珍しいじゃないか」 「い、いや…」 そうか…ルクバ君は『シズニが導く者』の称号を持ってるか…

12th◇憧れ

「ル〜ク〜バ〜君♪」 禁断の遺跡を出ると、いきなり子猫のように飛び付いてきた。羽根付き帽子が宙を舞う…なんとか押し倒されないように踏ん張った。 「ねぇねぇ、わたしステキな大人になったでしょ?ね?」 「え…っと?あ、あの…」 誰なの?首に腕を回して…

milly◇兄と妹

▷ 「あ、あのさ…二人でどっか…………い、行かない?」 長い沈黙。やっぱり言わなきゃよかった。うっっ、殿下の顔が見れないよ……きっと困った顔してる。 『いいね!もちろん行くよ』 うそ…い、いいの?あ~、でもこの先は絶対断られるんだ……殿下は優しいからここ…

12th◇新成人

「ルクバ、成人おめでとう!早速なんだけど今からアウドラに会ってくれない?」 「は?今から?な、なんで?」 「いいから、いいから!はい、いってらっしゃ〜い!」 メラク姉さんに急かされ玉座の間を出る。ほんの数秒前に大人になった私に、玉座の間にまで…

milly◇年下の彼

「ねぇクローライト、年下の恋人って…どう?」 突然そう聞いてきた同級生のプルネラは、子供の頃からの長い付き合い。アタシにもプルネラにも夢があり、その夢を叶えるために成人直後から奔走し、あっという間に丸二年が過ぎ去った。 成人して三年目、そろそ…

10th◇兵隊長アリオト

「シャルル君が好きなの…」 「アリオトさんだって知ってるよね?僕たちはお互い後継ぎ同士…それは許されないって」 「ごめんね、困らせるつもりはないの!本当にごめん…」 シャルル君は山岳ナセリ家の後継ぎで、私のひとつ年下。幼い頃から一緒に遊んできた…

10th◇再会

『リュラエちゃん、一緒に魔獣の森に行かない?』 『もちろん♪一緒に行こ!』 アントニオっ! 手を伸ばせば届くほどの距離。なのに触れることは出来なくて、アタシの腕は空を切る。 ………いつもここで目が覚める。 アントニオがアタシのそばからいなくなって、…

11th◇鎧の重み

「ジェローム君!」 「な、なに?なんでそんなにニコニコなの?」 「ふふっ…だって嬉しいから!」 キョロキョロと周りに誰もいない事を確認して、畑仕事をしていたジェローム君に飛びついた。 「うわっ!もう…シェダルさんの服が汚れちゃうよ?」 「わたしも…

milly◇恋の行方

▶王太女ヴァネッサと山岳長子アズライトの恋。(ヴァネッサ視点) その日…アタシは朝から緊張していた。 あと数日で成人するって頃、やっぱりアタシの気持ちを知って欲しい…そう思うようになった。 ずっと否定し続けた想いだけど、アタシ自身が受け入れて、卒…

11th◇大人の顔

二つ年下のシェダルさん。去年成人したとはいえ、まだまだ子供みたいなところがある。特に男に対して『警戒心』ってものが全く見受けられない。純真って言うか無垢って言うか…無防備過ぎる! そんなシェダルさんが近頃、女性らしい艶っぽい顔をするときがあ…

11th◇会えない時間…

あれから三日…ジェローム君と会えない日が続いてる。 どうしたのかな?具合悪いのかな?……それとも…わたし嫌われちゃったのかなぁ? 先に距離を取ったのはわたし。だって、ジェローム君のそばにいると、ドキドキして心臓が壊れちゃいそうで…。ずっと一緒に遊…

11th◇騎兵と山岳兵

▶シェアトとフランシス。同級生で似た者同士の恋模様。 ―補足― 二人とも性格は『おおらか』で『アカデの力』の因子を持つ。相性的には最悪だと思われる二人が仲介ナシでくっつきました!(口調は捏造です) ☆シェアトの心の声 ★フランシスの心の声 > 「あたし…

11th◇変わりゆく関係

▶仲のいい友達だけど兄妹のように過ごしてきたジェロームとシェダル。二人の関係は『あの日』を境に変わり始めた…。❬ジェローム視点❭ 数日前… 「シェダルさん、待って!」 彼女の腕を掴み、引き留める。 「離して!お願い………」 掴んでいた手が弛む。やはり私…

11th◇大人の恋って…

「あのね、ジェローム君は、好きな人…いるの?」 二つ年上のジェローム君とは、ナトルに入ってから仲良くなって、毎日一緒に遊んだの。彼が去年成人してからは会うことも少なくなったけど、それでも大切なお友達。そんな彼が、たった今…振られたの。たまたま…

04th◇2.似て非なるもの

あれから3年の月日が過ぎた…それでもわたくしは彼の事を忘れられず、結婚どころか恋人すら考えられずにいた。ある日、紹介されたと、神職の方がわたくしを訪ねてこられた。わたくしは…この方と結婚する! 不意にそう感じた。奏士だから顔なんて見えないのに…

04th◇1.王家のしきたり

わたくしは将来この国の女王になる。『そんなの嫌よ!』と、泣こうが喚こうが決して変わることのない運命。国王の長子として生を受けた…ただそれだけのことなのに…ね。 彼と出会ったのは、わたくしが五歳の誕生日を迎えた頃…、播種の日を終えたばかりの寒い…

10th◇親友

▶アントニオとアポロニウスのお話。(アポロニウス視点) 「探索行くよ~」 俺がローゼル近衛騎士隊に志願した年、幼馴染みのリュラエの旦那も同じく志願。旦那の強化ついでに、いつも探索に誘われる。 ……誘われる?違うな、強制参加だ。 「リュラエ、アントニ…

10th◇3.決断

初デートは幸運の塔。「リュラエちゃん聞いてる?どうかした?」「えっ?あ…うん、ごめん」この時、僕はリュラエちゃんが悩んでるなんて、全然知らなかった。僕がちゃんと話してやらなきゃいけなかったのに、舞い上がって…自分だけ納得して解決してると思っ…

10th◇2.賭け

「リュラエちゃん、明日選抜の試合なんだ。良かったら見に来ない?」「もちろん行くよ!試合、頑張ってね」明日の試合に僕の全てを賭ける。負けたら…龍騎士の夢は諦める。勝ったら…リュラエちゃんを諦める。こんな賭けみたいなことで自分の将来を決めるなん…

10th◇1.葛藤

僕の夢…ローゼル近衛騎士隊に入って、エルネア杯に出る。そして龍騎士になる!いつからそう思ってたのか忘れたけど、それが僕の夢なんだ! ナトルに入学してからは、早く強くなりたくて、とにかく探索に行った。学校が終わると森の小道へ直行し、夕刻まで探…