milly◇兄と妹
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「あ、あのさ…二人でどっか…………い、行かない?」
長い沈黙。やっぱり言わなきゃよかった。うっっ、殿下の顔が見れないよ……きっと困った顔してる。
『いいね!もちろん行くよ』
うそ…い、いいの?あ~、でもこの先は絶対断られるんだ……殿下は優しいからここまでは受けてくれるんでしょ……
「殿下のことが大好き!……アタシと付き合って下さい!!」
『私もサスキアさんのこと好きだよ。だけど……本当に私でいいの?サスキアさんから見たら私はオジさんでしょ?』
「そんなことない!殿下がオジさんだなんて思ったことない!」
『そう?……ありがとう。じゃぁ、これからは恋人としてよろしくね』
「あ、はい…よろしくお願いします」
こんなにあっさり?ははぁ〜ん、これは夢でしょ…夢!うん……きっと夢なのよ。
『家まで送ります。一緒に帰りましょう』
スッと手を繋がれアタシの鼓動は跳ね上がった。いつも繋いでもらってたけど、今までとは意味が違う。ホントに夢?繋いだ手からは殿下の温もりが確かに伝わってくる。包み込まれてるようで…凄く心地いい。
『今日は楽しかった』
まるで親が我が子にキスするように…自然な流れで額にキスを落とされる…
『またね』
「は……………い………………」
は、恥ずかしいっ!ぜったい真っ赤だし、間抜けな顔してる!こんな…こんなこと!うわァァァ、殿下のバカぁぁぁぁ………………アタシはその場にヘナヘナと座り込んだ。夢じゃ…なかった………
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振り返りもせず後ろ手にドアを閉める。き、緊張した…額とは言え、サスキアさんにキスしちゃったけど、流石にいきなり過ぎたよな……でも、さっきのサスキアさん、可愛かったな。口ぱくぱくさせて、顔真っ赤で、目が点になってた。フフッ……私と違って表情が豊かで、見てて飽きないんだよな。本当は抱き締めたかった…でも我慢したんだよ?一応…大人の男の礼儀として。
ふと表札を見る。え……《サンペリ》?サンペリって、あのサンペリ?…サスキアさんって《サスキア・サンペリ》なの?知らなかった…どうしよ……グェンダル君(サスキアの兄で、妹の恋人)にシメられる!
…………だいたい兄妹だなんて、聞いてないっっっ!!顔だって全然似てないじゃないか!
ー補足ー
※PCは王太子シンハライト。《10歳まで恋人は作らない》という縛りでプレイ中でした。
ビリンガム王家
サンペリ家
兄グェンダル8歳。妹サスキア5歳。
グェンダルとラズライトは同級生で、2年前から恋人同士。