sothis's derivative work

このブログは《World Neverland~エルネア王国の日々~》のゲームプレイを元にした妄想込みの二次創作物語(SS)を掲載しております。(投稿∶不定期)

wilma◇3.真実の愛(アル編)

アルが恋人と別れた…

「俺と付き合ってくれませんか?」
「えっ…ホントに?ホントにいいの?」
私はアルに抱きついた!アルがギューっと抱き締めてくれた。
「俺は…君を恋愛の対象として見てはいけないと自分自身に言い聞かせてきた。それが君のためだと…君の幸せのためだと…本気で思ってた」
「私の…為?」
「12歳も違うんだ…そう思うのが普通だろ?」
「私…普通じゃないんだ…」
「普通の娘だったら…俺も惚れてないかもな。で、君は何でこんなおじさんが好きなの?もっと若くていい男が沢山いるだろ?」

「そんなの分かんない!好きなんだもん…アルが大好きなの。理由なんてない!」
「そうだね…好きになるのに理由はない。俺が一番分かってたことだな」

順調にデートを重ね、私はすごく幸せな日々を過ごしていた。
「突然だけど…デートしない?」
アルがシズニ神殿に誘ってくれた。
「俺はもう年だし、子供は望めないかもしれない。それでも君と一緒にいたいんだ!俺と結婚してくれませんか?」
「もちろん!アル…ありがとう。私、アルと一緒なら、それだけでいい!」
結婚式は来年4日に決まった。

 

年が明け、私は農場管理官の仕事に就いた。そしてようやく結婚式を迎え、私たちは夫婦になった。
「アル、私たちの家に帰ろう」
郊外通りの小さな戸建ての家。ここで新しい暮らしが始まる。

「…アルとひとつになりたい…」
「いいの?俺…優しく出来ないかもしれないよ」
私はコクリと頷いた。アルの身体は以外にも逞しかった…元魔銃師だもんね…ちゃんと鍛えてるんだね…。アルは優しく求めてくれた…アルと心も体もひとつになった私は、幸せで幸せで涙が溢れた。

 

「アル、あのね…赤ちゃん出来たみたい」
「本当に?や、やったー!ムリだと思ってたから、本当に嬉しいよ!…よかった…これで君が独りになることはない。安心して先に逝けるよ…」
「変なこと言わないで!まだ産まれてもないのに…。この子が成人して、結婚して、そしてこの子の子供が産まれるまで…一緒に見届けよう?」
「そうだね…君と一緒なら何でも出来る気がするよ」
頭ではそんなこと難しいって分かってる…。でもアル…諦めないで!1日でも長く、私と一緒にいて欲しい…

 

年末…かわいい女の子が誕生した。名前はアルバ。もちろんアルの名前から付けた。
「かわいい…。昔、君のこと娘みたいだって言ったけど、やっぱり違うな」
「何よ…私より愛しいってこと?」
「そうじゃない、君は娘なんかじゃないってこと!分かってるよね?」
そう言ってキスしてくる…。最近アルは激甘で、平気な顔して恥ずかしいセリフを口にする。私は真っ赤になった顔を見られたくなくて、うつむいた。
「こっち向いて…かわいい顔見せて」
「ムリ…だよ…」

 

アルバが1歳の誕生日を迎えた。アルに似て欲しかった私の願いは届かなかった…私そっくり。
「そんなにがっかりしない!俺は君に似てて嬉しいよ。将来は美人さん確定だ!悪い虫が付かないように見張らなきゃ!君が幼かった頃と同じように…」
「ねぇ…アルの子供が欲しい…」
「君が望むなら…」

私だってもういい大人。今日は私がどれほどアルを愛してるか教えてあげる…。アルの体が緊張していくのを感じる。
「どこで覚えた?」
「アルが教えてくれたんでしょ?」
「じゃあ、もっと刻み込んでやる!君が俺を忘れないように」
形勢逆転。やっぱりアルには敵わない…あっという間に上り詰める。
アルに抱かれる快楽が私に幸せを運んで来る。アルにそれほど時間が残されていないことは分かってるけど…
「アルの子供が欲しいの!」
「ああ、俺も同じだ。君との子供が欲しい」
何度体を重ねただろう…それでもまたキスをする…
「そろそろアルバが起きちゃうよ?」
「じゃあ、また今夜…」
「ふふっ、もちろん。アル…愛してる」

 

「アル…あのね、赤ちゃんできたみたい」
「えっ?ホントに?ホントに授かったの?」
正直、私も無理だと思ってた。口には出さないけどアルだってそう思ってたはず。
「アル、今夜も仲良くしたい…」
「もちろん、君が望むなら…」

 

播種の日、次女アルリネが誕生した。アルの綺麗な青髪は受け継がれなかった。そして長女アルバがナトルに入学し、私は親友から巫女を引き継いだ。


巫女は、産まれてくる命と去り逝く命…そのどちらにも関わる。そうやって命は紡がれていく…頭では分かっていても、私は妻として…夫アルを看取る覚悟が出来なかった…。
「アル…私と結婚してくれてありがとう。私…本当に幸せだよ…だから…私を置いて逝かないで!」
もうアルに残された時間は少ない…私にはすがることしか出来ない。アルは何も言わず、ただ…ただ優しく微笑んでた。
そして…私は長女にバトンを渡した。